自分の価値観や考えをしっかりともつということは、自分らしく、自分を大切に生きるという上での重要なファクターです。

何か選択を迫られる場面に遭遇したとき、きちんと自分の考えを伝え、意思表示できるとういことは、自分に正直に生きるということ、自己重要感を実感させ、自信を深めるという意味でもまた大切なことだと思うのです。

逆に自分を出せない、思ったことが言えないという人の心には、わがままな人、自分勝手な人、思いやりのない人と思われたくない。

裏を返せば、協調性のある人、やさしい人、思いやりのある人、人の気持ちがわかる思慮深い人などと思われたい、そんな意図が隠れている場合もあるといえるでしょう。

そんなふうに考えることが悪いとか、いいとかを言っているのではなく、そんなことを思う自分もまた自分であると認めることも必要だということ。

しかし一方で、自己主張ばかりで他人を尊重しないことが自分を大切にし、自分らしく生きるということではありません。

相手や場所、状況をかえりみず、なんでもかんでも主張し、自分の思いどおりにしてしまうというような在り方は、決して自分らしい生き方でもなく、自分勝手な生き方にすぎません。

社会の中で人と人とが関わっていく上で、やさしさや思いやり、相手への配慮というのは絶対に必要なものです。

自分の考えばかりを主張し、心の中の思いをやたら吐き出すことばかりが、自分に正直に生きるということではありません。

自分を出さないことが、誰かを思いやるということにつながる場合もあるのです。

誰もがあなたの考えを受け容れるなんてあり得ません。

あなたが自分の考えを大切に思うように、相手もまたそのことを大切にしているといこと。

そのことを知り、受け容れる心を育むことも、本当の意味で自分らしく生きるための大きな鍵と言えるでしょう。